あなたは、最近何か買い物をしましたか?
新しい服、お気に入りの本、行きつけのお店での食事…。
そのとき、どうやってその商品やお店を見つけましたか?
誰かに勧められましたか?
それとも、自分で探しましたか?
実は、私たちの買い物の多くは「自分で探して買う」というパターン。スマホで検索したり、SNSで見つけたり。
「Webマーケティング」という言葉。
聞きなれない方も多いかもしれません。この言葉を聞いただけで、少し身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも実は、みなさんが普段している「買い物」と、そんなに変わらないんです。
むしろ、私たちの仕事の大半はマーケティングと深く関わっています。新しいお客様との出会い、採用活動、取引先とのお付き合い…。
ビジネスのあらゆる場面で、マーケティングの考え方は活きてきます。だからこそ、この基本を理解することが、ビジネスの成長への近道になります。
今日は、その基本的な考え方についてお話しします。確かに難しそうな印象を受けますが、本当はとてもシンプルな考え方なんです。
さっそくはじめていきましょう。
・Webマーケティングの本質
・営業せずにものが売れる2つのパターン
・人を行動させる秘訣
・Webマーケティング初心者(「そもそもWebでどう売れるの?」と疑問に思う方)
・営業に頼らず集客したい人
・お客様の心理を知り、売れる仕組みを作りたい人
Webマーケティングの本質:営業不要の仕組みづくり

「マーケティングの目的は、営業を不要にすることである」
これは、現代マーケティングの父と呼ばれるピーター・ドラッカーの言葉です。
つまり、webマーケティングの理想的なゴールは「営業せずに売れる状態」をつくること。
そう思われるかもしれません。新規開拓、テレアポ、訪問営業…「営業活動」なしでは商品が売れないと思い込んでいませんか?
でも、よく考えてみてください。
みなさん自身、日々どうやって買い物をしていますか? 記事の最初でお話した日常の買い物を思い出してください。
そうです。私たちの多くの購買行動は「営業マンの営業を受けて」ではなく、「自分から探して買う」パターンなんです。
地方でも実践できる!「すでに欲しい人」を見つけるアプローチ

このように、営業せずにものが売れるには、2つの重要なパターンがあります。
まずひとつ目は、「もともと欲しいと思っている人(顕在欲求層)」を見つけて商品を届けるパターン。
ネットショップに並ぶ商品、飲食店の情報、地域の観光スポット…。これらのビジネスは、特別な魔法を使っているわけではなく、ただ一つの重要な原則に従っているだけなんです。
具体的な例を2つ見てみましょう。
例えば、あなたが「腰痛で困っている」とします。そのとき、どうするでしょうか?
そうです。まずはGoogleなどの検索サイトで「腰痛 治し方」と検索するはずです。症状によっては、「腰痛 エリア名 病院」など、今すぐ行ける病院を探すかもしれません。
この時点で、あなたは「解決策が欲しい人」なんです。
また、「子どもの入学式」が近づいているお母さんの場合。
「入学式 母親 服装」と検索して、適切な服装を探すはず。スーツのブランド、サイズ、価格帯…写真付きの商品紹介や、先輩ママたちの口コミを見てまわるかもしれません。
どちらの場合も、誰かに営業されたわけではありません。自分から探しているんです。
webマーケティングの最初の基本は、このように「すでに欲しいと思っている人」と出会い、その人が求めているものを届けること。
言ってみれば、webマーケティングの基本は”マッチング”。「欲しい!」と思っている人と、その商品・サービスを効率よく結びつけることなんです。営業以上に効果的で、しかも自然な形で。
「興味あり」を「購入」に変える:無理のない教育戦略

次に、ふたつ目のパターンをお話ししましょう。
あなたは
「この商品、なんか気になるんだよね…」
「いつか使ってみたいかも…」
こんなふうに思ったけど、購入までには至らなかったことはありませんか? 実は、多くの人がこんな気持ちを持っています。
「興味はあるけど、まだ欲しいとまでは思っていない」
ふたつ目のパターンは、このような人たち(潜在欲求層)に対して「教育・啓蒙」をしていくという方法です。
ここでいう「教育」とは、押しつけることではありません。その商品やサービスの価値を、少しずつ理解してもらうこと。
身近な例を見てみましょう。
📱 スマホの例
登場当初「うちのガラケーで十分」
↓
知人が使いこなす姿を見る
↓
便利な使い方の情報に触れる
↓
生活が変わった事例を知る
↓
今や「生活に欠かせない」
🌽 オーガニック食品の例
最初「普通の野菜で十分」
↓
安全性について知る
↓
味の違いを実感した人の声を聞く
↓
生産者のこだわりを知る
↓
今「できるだけ選びたい」
このように、最初は「興味があるだけ」の状態から、少しづつ段階を追って「必要なもの」という認識に変わっていく。そして、あるきっかけで「今がその時!」と感じた時に購入する。
実は市場には、この「興味はあるけど、まだ欲しいとは思わない層」がとても多いんです。あなた自身も「これ気になるけど買わない」というものが、たくさんあるのではないでしょうか?
大切なのは、押しつけないこと。その代わり、
・役立つ情報を提供する
・実際の使用例を見せる
・他の人の体験を共有する
・具体的なメリットを伝える
つまり、押しつけるのではなく、上のような形でじっくりと価値を理解してもらうプロセスが重要なのです。まさにこれが「教育」アプローチのポイントです。
お客様が「今すぐ欲しい」と思う2つの条件

では、人はどんなときに「買おう!」と決めるのでしょうか?
2つの要素が重要です。
① 必要性:「これは自分に必要だ」という認識
② 緊急性:「今、手に入れる必要がある」という状況
不思議なことに「必要性」だけでは、なかなか人は行動を起こしません。
例えば、こんな経験ありませんか?
「このサービス、いいな。でも、今じゃなくてもいいか…」 「そのうちやろう」と思って、そのまま数ヶ月が経過。
これには理由があります。人には「現状維持しようとする性質」があるんです。 専門的には「ホメオスタシス」と呼ばれるこの性質。私たちの行動に大きな影響を与えています。
だからこそ「緊急性」が重要になってくるんです。
たとえば、朝起きたら歯が痛くて仕方がないとします。 歯医者に行くことの「必要性」は明らか。 そして痛みという「緊急性」があるため、すぐにネットで近くの歯医者を探して予約の電話をするはずです。
また、週末のキャンプの前日に調理器具が壊れてしまった場合。 新しい器具の「必要性」はもちろんのこと、 明日使うという「緊急性」から、 即座にネットで在庫のある店舗を探すことになります。
このように「必要性」と「緊急性」。 この2つが揃ったとき、人は行動を起こします。
やってみよう:自分の購買行動から顧客心理を学ぶ

今日学んだことを、まずは「お客様」としての自分自身で確かめてみましょう。例えば、こんな感じです。
💡 Aさんの場合:新しいキャンプ用品を購入
・知ったきっかけ:YouTubeの動画で見かけた
・必要性:春のキャンプシーズンに向けて欲しかった
・緊急性:早期予約特典があと3日で終了
・決め手:実際の使用レビュー動画を見て安心できた
💡 Bさんの場合:近所の新しいラーメン店に行った
・知ったきっかけ:インスタグラムのおすすめ表示
・必要性:休日のランチで美味しいものが食べたかった
・緊急性:オープン記念の特典が今週まで
・決め手:実際の料理写真と口コミ
レベル.1 クエスト
では、あなたの番です。最近買ったものを3つ選んで、以下のポイントを書き出してみましょう。
1.どうやってその商品を知りましたか?
・検索して見つけた?
・SNSで見かけた?
・誰かに勧められた?
2.「必要性」と「緊急性」はありましたか?
・なぜその商品が必要だと感じた?
・なぜそのタイミングで買おうと決めた?
3.購入を迷った場合、何がきっかけで決断しましたか?
この観察を通じて、お客様の気持ちがより理解できるはずです。
そして、この理解は必ず、あなたの情報発信に活きてきます。
レベルアップ!

おめでとうございます! あなたは基礎マーケティングの第一関門をクリアしました。これであなたも、Web戦士の第一歩を踏み出しました!
基本は理解できましたか?
思ったより難しくなかったでしょ?
この知識は、きっとあなたの強力な武器になるはず。さあ、次のレベルを目指して、一緒に成長していきましょう!
💡①Webマーケティングは「売り込む」ものではなく、顧客が自ら行動する仕組みを作るもの
💡② 営業せずにものが売れるには2つのパターンがある
(1)「すでに欲しい人」に届ける
(2) 「興味はあるが欲しくない人」を教育する
💡③ 人を行動させる秘訣:「必要性 × 緊急性」
・基礎マーケティング力 +10 【達成】
・顧客心理理解力 +5 【達成】
次回は「レベル2:お客様の気持ちで考える!地方企業のための集客の極意」。欲求別のアプローチの仕方について解説します。より強力な技を習得していきますよ。お楽しみに!
